金剛山赤不動明王院、慈福のブログです。 學びを深めるため永作優三輝師僧の許可を得てリブログしています

by 慈福

密教848 祈祷行脚


祈祷行脚

私はその頃、ある修行の為に片道の電車賃だけを持ち旅に出ていた。
勿論、帰りは現地から徒歩で帰って来る修行である。

帰りは当然一文無し。
土地で、托鉢をしながら帰って来るのである。

ある地方で托鉢修行をしていた時、一人の男性が言いにくそうに話し掛けて来ました。
話を聞いてみると、お子さんが高熱を出し苦しんでいると言うのである。

お医者様に診て貰いなさいと言うと、医者には行ったが原因が分からないという。
【薬も貰い、安静にする様に言われたが、どうしてもじっとして居られず私に話し掛けたのです】

その親子は、近年お母さんを亡くし、父と子の二人暮らしだったのです。

私は、渾身の力を込め祈った。
夜も更け、ご主人の勧めで一夜の宿をお借りする事にしました。

私は、夜中に厠に行く為に起き上がろうとして、ふと、親子の寝て居る場所を見た。
その時、驚きと感動に涙が溢れました。

亡くなったお母さんが幼子の側に寄り添っている。
その姿は子を想う母そのものである。
疑うべきも無い。
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ふと、氣づけば夜明けであった。
お母さんの姿は無い。

幼子の熱は下がり、ミルクを飲んで元気を取り戻して微笑んだ。
母は霊体に戻りながらも、我が子の為に禁を破り、降りて来たのである。
正に慈愛である。

私はご主人に事の次第を全て告げました。

ご主人の眼には涙が溢れた。
仏壇の前に座るご主人の背中は、悲しさと寂しさに震えて居た。

私はご主人に、霊的世界を理解出来るように、全身全霊を込めて話しました。
ご主人は理解され、現在も學び続けておられます。

あの時の幼子も、今は立派に成人し、美しい娘に育ちました。

南無大日大聖不動明王尊
蓮華合掌
金剛山赤不動明王院 院主永作優三輝

子供を愛する母の愛は素晴らしいものです。想えば通じるのが霊界であると私は理解していますが、目に視ることができなくとも、いつも想われているのだと改めて感じました。
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by fudou8jifuku28 | 2018-08-09 06:00 | 赤不動明王院便り | Comments(0)